この流れを受け、特色のない単純な7インチタブレットの市場は停滞しているはずが、Amazonから発表された何の変哲もない新しいFire タブレットが大人気です。注文待ちが出るほどうけいれられたこの端末はどのようなものでしょうか。
Fireタブレット、数値上の性能は平凡
さまざまなサイズ、性能のモデルが並ぶAmazonタブレットの中でも新しいFireタブレットはエントリーモデルに位置づけられます。性能的にはNexus7(2012)あたりの端末と同程度のもので、現行スペックのタブレットと比較すると見劣りするものです。ディスプレイ | 7インチ、タッチスクリーン、IPSディスプレイ、解像度1024x600、171ppi、 |
サイズ | 191mm x 115mm x 10.6mm |
重量 | 313g |
CPU | 1.3GHzクアッドコア |
RAM | 1GB |
ストレージ容量 | 8GB (使用可能領域 約5GB)、128 GB までの microSD カード対応 |
バッテリー | 容量不明。通常使用時、最大7時間。 |
充電時間 | 同梱のUSB充電アダプタで6時間 |
Wi-Fi 接続 | 802.11b/g/n |
入出力 | USB2.0ポート(マイクロB コネクタ) |
オーディオ | 3.5 mm ステレオ ジャック、内蔵スピーカー |
microSDカードスロット | あり。microSDカード(別売)を使用すれば、ストレージを128GB拡張可能 |
カメラ | VGAフロントカメラ、2メガピクセルHDリアカメラ |
カラー | ブラック |
同梱内容 | Fireタブレット、USB 2.0ケーブル、5W 電源充電器、保証書、スタートガイド |
1ヶ月の入荷待ちを抱える大人気
平凡なスペックのFireタブレットですが、現時点の入荷予定は2015年12月6日となっており、約1カ月待ちの状態です。Fireタブレットの上位モデルやFire TV各モデル、Kindle含めてすべてのAmazon端末が在庫ありという状況と比較すると、いかにこの端末が人気かうかがえます。人気の秘密は圧倒的な価格と・・・
人気の秘密はキャンペーン適用なしの標準価格でも¥8,980という価格設定にあると思われます。プライム会員であればクーポンを利用することでさらに4,000円OFFとなり、たった¥4,980でこの端末を購入できます。充実した特典を目的に最近プライム会員になった人が、ついでに買いたくなる強力な価格設定です。ぼくも先月プライムビデオ目的でプライム会員になりました。そしてキャンペーン価格でFire TVを買い、Kindleも買い、ちゃくちゃくとAmazonの術中にはまりつつあります。そして、この端末もついでに買ってしまおうか検討しています。
タブレットはNexus7(2013) を持っていて、プライムビデオはFire TV Stickで見ればよく、つい先日2in1のWindowsタブレットPCを購入し たばかりでもあり、端末はあふれています。
スペックだけみれば、すぐ使わなくなりそうなこの端末をなぜ欲しいのかというと、実体価値を下回る価格設定でAmazonというコンテンツサービス会社から売り出されていることで、とりあえず買っておかなければ損と思わせる圧倒的なものがあるからではないでしょうか。
一般的なガジェットと異なり、Amazonが自社コンテンツに最適化したサービス利用端末としてリリースしている点が圧倒的なコストパフォーマンスと合わさって仕様以上の価値を生み出しているように思います。
とりあえずの用途でいえば、プライムビデオとの親和性は文句のないレベルのようなので、テレビのチャンネル争い時に活躍してくれそうです。
Fireタブレットを使う上で理解しておきたい特長
FireタブレットにはAmazon独自のFire OSが搭載されています。Fire OSはGoogleのAndroidがベースですが、Googleのアプリやサービスが搭載されていないため、通常のAndroid端末とは少し違っていると考える必要があるようです。話がややこしいのは、FireタブレットはAndroidが動いているわけではないがAndroidベースのOSが動いているためにAndroidのアプリを動かすことができる点です。
この点について、すでに購入された方のレビューによると、Android端末とFireタブレットの大きな違いはGoogle Play Storeが提供されていないことのようです。Google Play Storeが使えないので利用できるアプリはAmazonのAppstoreで提供されているアプリに制限されます。たとえばブラウザはGoogleクロームではなくてAmazon Silkを使う必要が出てくるということです。
操作性に目を向けると起動時に広告が表示されるものの新しいFire OSは以前よりAndroid風になったため操作上の違和感は少なそうです。スワイプからAmazonのコンテンツに直接アクセスできる点は高評価ですが、逆に言えばコンテンツを購入することが非常に簡単にできてしまいますので買いすぎに注意です。
性能面では電子書籍を見る際に小さな文字が見にくいという報告がありますが、Amazonからのストリーミングビデオコンテンツを見る分には全くスムーズに動作するようです。
これらの点を考慮すると、やはりAmazonのサービスを利用するための端末と考えておいたほうが良く、そういった理解の上にたてば価格以上の満足は得られそうです。
Fireタブレットは買いか?
世の中的にいえば、プライム会員特典を利用する端末としての利用価値や、リビングに置いておく共有端末としてちょっとした調べものやレシピを見たりとか、またFireOSのparental-control機能によって子供用の端末として利用するなどサブ端末としての利用価値は十分あるように思います。ぼくにとってはプライム会員特典を利用する端末としての実用性以上に、この低価格でどれほどの完成度のものであるのかを見たいという興味が強く、おもちゃを想起させる圧倒的な価格設定によって、とりあえず買っておくかと思わせるパワーがあります。
が、冷静に考えると必要ないのかもしれませんので、いろいろ考察しながら楽しんでいます。
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